journal in japan

記憶の中の詩

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2007-12-22 [ Sat ]
飴色の光の中を通っていった。

それから荷物をまとめていた。
少しずつ持ち出していたので、もうあまりない。
ただひとまとめにしていくには、重さが躊躇われた。

時計に眼を遣る。

いったん袋に入れたものを戻したり、また入れたり。
また戻す。

時計に眼を遣る。

今日はこれくらいにしよう。

「もういっぺん来ますから」
誰にともなく言いおいた。

飴色の光の中、
帰り道は緩やかなスロープだった。
壁に向かってトランペットを吹く人。


そこで眼が覚めた。
そして思い出した。
そこには櫛1本、遺してはこなかったことを。

なのに「もういっぺん来ます」

時計を見ていたのは、会わずにおくつもりだったから。
荷物を残したのは---会うつもりだったから?


あれからどれほど経ったのだか。
飴色の光景はただ甘く暖かく、
そこを破けた自分がこぼれないように必死でかき抱きながら
歩いた日々のことは、カーテンを透かす陽の光の中で
ようやっと思い出した。

たぶん・・・とうぶんはそこへ戻ることはないのだろう。
とまれそれは、わずかな荷物をまとめて出てゆく光景だったのだし
これからは春に向かって、人々の爪先は歩みだしてゆく日なのだから。

冬至の日の、光に満ちた夢だった。
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2007-10-05 [ Fri ]

夏からずっと照らしつづけてくれたピンクの花の樹に
秋になって別の花が咲いた。
白い花。
ひとつの房からのびた小枝の先に
ピンクと白とが混じり咲いている。

千々に乱れた心がこぼれぬよう
かき集め、かき抱いて樹を見上げてきた人に
今はそれでよい、
自分をも誰をも責めるのは詮無いことだと
静かに語りかけるように・・・

2007-09-01 [ Sat ]

白と

臙脂、あるいは
紫。
陽の光はかすかな飴色をおびた白。

夏の色。

蝉の音は冥界の声。
招くように、嘯くように。
(文月から葉月へ)

涸れ濠に夏草そよぐ古城にをり
(葉月一六日)

寝待月高く懸かれるあわひどき
(葉月晦日)

2007-08-08 [ Wed ]

こうしてふたたび巡りきた夏は


ほらこんな処にこんな花がと
異国の庭で指さした白い花
あれもこれも ほらこんなにと
異郷の野で手わたした赤い実 青い枝

重苦しい夜気からそっとかばうように
温かく潤んだ眼 声



so schmilzt mein leid sanft in deine traenen
und meine traenen fliessen sacht in deinen armen

ことだまを淡き衣にくるみしてやりとりしつる指なにをか想はむ

漕ぎびとは舟を静かに波に揺らしつ

傷つかぬやう 傷ははやくなほるやうにと


zum abschied kuessten mich deine worte so zart an den augen


そうして朝は いつも敷居の上に立っている

2007-08-05 [ Sun ]

狭苦しい廊下の突き当たりに窓があって、この季節には緑が勢いよく繁っている。
その廊下いっぱいに大きな背中が光を遮っていた。
1つのドアの前で立ち止まり、鍵を開けようとしている。
ドアに手をかけたまま、こちらを向いた。
逆光で何も見えないけれど、誰だかすぐにわかる。
誰が上がってくるのか知っていたようにごく自然に振り向いた、その
光と緑の額縁をきれいに切り抜いたシルエットに、ただ黙って微笑を投げた。
2007-07-31 [ Tue ]

あなたは
パンの要る人に石を与えてはいけない
魚の要る人に蛇を食べさせてはいけない
2007-07-25 [ Wed ]
水たまりの詩

雨があがって
陽が差してきたら
ボクの上をだあれも歩かなくなって
ずっと空を見上げていたら
空になっちゃった
(kats_miz)

空の詩

ぼくがいっぱい泣いたら地面におっきな水たまりができて
びっくりして見てたらぼくの顔が水たまりに映って
その顔とにらめっくらしてたら
ぼくが水たまりになっちゃった
(lete)

おぅい~

水たまりくぅん、こっちへおいでよ
こっちはまだつゆが明けていなくて
君の友だちがいっぱいいるよ
友だちと一緒に手をつないで、歌をうたって
楽しくなろうよ
そしたら川を通って、海に出られる
まっしろな入道雲に手をひかれて
お空へ帰るんだよ
(schiff)
2007-07-22 [ Sun ]

夏のゆうべは もう 昨日に
この明るい光も 明日には
また 昨日になる

2007-07-21 [ Sat ]


 
 
 

2007-07-21 [ Sat ]

風は吹きすぎて
また吹ききたり
そしてまた
さらにまた・・・

wo gehen wir hin?
 --- immer nach hause.

2007-07-18 [ Wed ]

山深く蔓にか暮れし花ひとつ
     濃紅の花芯いや息づきて

2007-07-07 [ Sat ]
しまい梅雨の、それでも晴れた午後

やはり嵐にもまれる帆船と
避難の小舟の絵につかまってしまい。

そのあとしばらく、澄んだ月夜の絵で心静めていました。
手前には帆をおろした船の甲板に、赤い灯り。
奥には帆を上げたままの船。

水面からじっと月を見上げたら
蜜色をした光が存在の奥の奥まで
ひたひたと浸してきました。
2007-07-07 [ Sat ]

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2007-07-03 [ Tue ]

うぐいす張りをそっと踏む革のヒール

小さな机と椅子、傘立てにぽつねんと黄色い傘

甘酸っぱい汗の残り香

2007-06-26 [ Tue ]

そういえば最近、「無」に身をひたしていない。

すべての音を包みこんでいく沈黙〔しじま〕、
あらゆる光を染めていく闇---

そこからふたたびひそやかな沈黙の音が、
ほのやかな闇の光がたちのぼってくるような。

こんな濁った雨の日には、菩提樹の香りさえ
梵に導いてくれるには青くさく噎せかえるよう・・・

2007-06-23 [ Sat ]


仏さまの庭に 070618_1623~01.jpg
  我も憩いぬ・・・



2007-06-16 [ Sat ]

階段をのぼると、さるすべり。

踊り場の窓のむこうで朝日をちらめかせる若枝が、
これもどうやらさるすべり。
飴色と乳白色の、まだらにも滑らかな肌。
掌を重ね広げるように繁った葉の上に
楽しげに転がる蕾は、
白い花。

見守るうちに、紅いさるすべりより先に咲いた。
陽ざしに恵まれて、
車道の喧騒から守られて、
日々いよいよ馥郁と。

凛々と、夏にむかって。

2007-05-26 [ Sat ]
人をさばくな。自分がさばかれないためである。
あなたがたがさばくそのさばきで、自分もさばかれ、
あなたがたの量るそのはかりで、自分にも量り与えられるであろう。
なぜ、兄弟の目にあるちりを見ながら、自分の目にある梁を認めないのか。
自分の目には梁があるのに、どうして兄弟にむかって、
あなたの目からちりを取らせてください、と言えようか。
まず自分の目から梁を取りのけるがよい。
そうすれば、はっきり見えるようになって、
兄弟の目からちりを取りのけることができるだろう。
(マタイ7:1-5)
2007-03-20 [ Tue ]

えどのやしろにさくらさく

2007-01-01 [ Mon ]
Vierge_sur_croissant_de_lune_Goslar


また、大いなるしるしが天に現れた。ひとりの女が太陽を着て、
足の下に月を踏み、その頭に12の星の冠をかぶっていた。
女は男の子を産んだが、彼は鉄のつえをもってすべての国民を
治めるべき者である。この子は、神のみもとに、その御座のところに、
引き上げられた。
(黙示12:1,5;"Vierge sur croissant de lune")
2006-12-24 [ Sun ]
初めに言があった。言は神と共にあった。言は神であった。
この言は初めに神と共にあった。すべてのものは、これによってできた。
できたもののうち、一つとしてこれによらないものはなかった。
この言に命があった。そしてこの命は人の光であった。
光はやみの中に輝いている。そして、やみはこれに勝たなかった。

(ヨハネ1:1-5)
2006-12-17 [ Sun ]
warte nur, balde
ruhest du auch.
(J-W.v.G.)

メガロポリスのエッシャー的空間の底のそこに
噴水を配した池がある
その横のタイル貼りの地面に
身を寄せあった鳩がひとつがい

池と地面とのわずかな段差でも
そうして蹲っていれば風を避けて暖かいのか

微笑みつついくども振りかえりつつ過ぎると
もうひとつの噴水のそばに
やはり身を寄せあった鳩がもうひとつがい

水に足を浸しても
そうして佇んでいれば互いのぬくもりで暖かいのか

そしてコートの裾をひるがえして
冬の旅人は吹き降りてくる風に爪先をかけた
2006-12-07 [ Thu ]
聖ニコラウスと聖ルシアのあいだ

季節は
聖マルティヌスから聖ジルヴェスタへと
移りゆき
ただ、やがてまた少しずつ
光が戻ってくるのを心待ちにしている
2006-11-30 [ Thu ]
眼に見えない境界線を超えるとそこは隣の亜異次元空間
晩秋の早い宵闇を2両連結のバスで貫き走り
降りたった足もとからは草や樹や土の香りがたちのぼっていた
ここは・・・カスターニエン?カカーニエン?
やがてひき返しつ霜月晦日の丸い月を見上げたら
その視線を枯れ枝の先の鳥の巣がかすかに遮った
2006-10-18 [ Wed ]
ひらりと眼の前に舞いおりてきたもの
歩みを止める
花屋の店先
洋花たちの鮮やかな暖色にくらべて
その色はもっと渋かったけれど
なぜか強く魅きつけるものがあった

そっと一歩だけ近づく

濃い橙に黒い斑
ふしぎな羽の形をしている

それにしても・・・
花に誘われるでも何かに止まるでもなく
どうしてモザイクの歩道に
翅を広げて身を横たえているのか

あぁ
左の小翅がちぎれているのだ

息を呑んで見つめた

手を伸ばして捕らえようとするでもなく
じっと見守る視線にこめられたものに気づいたのか

蝶はかすかに両の翅をよじるように震わせ
よたよたとわずかに身を引きずったあと
ほわりと宙に舞いあがった

じきにこわれた翅はかすかな風をもとらえて
すいと鮮やかに高度を上げた
軽やかに
誇らかに

いっぺん行きかけてから振りかえったら
いつのまにか
もうどこにも蝶の姿はなかった
2006-10-18 [ Wed ]
 zwischen dem himmel und der erde

天よ、上より水を注げ、
雲は義を降らせよ。
地は開けて救を生じ、また義をも、生えさせよ。
主なるわたしはこれを創造した。

drop down, ye heavens, from above,
and let the skies pour down righteousness:
let the earth open, and let them bring forth salvation, and let righteousness spring up together;
I the LORD have created it.
(Isaiah 45:8)

***
木の葉たちが落ちる はるか彼方からのように
遠く天の高みで 庭が枯れたかのように
いやいやいやを する身ぶりで 落ちる

夜になると 重い大地も落ちる
あまねく星々から 孤独の淵へと

私たちはみな落ちる これ この手も落ちる
見てごらん みんな同じなのだ

けれどもたった一人の者がいて この落下を
かぎりなく優しく 両のたなごころに受けとめる

die blaetter fallen, fallen wie von weit,
als welkten in den himmeln ferne gaerten;
sie fallen mit verneinender gebaerde.

und in den naechten faellt die schwere erde
aus allen sternen in die einsamkeit.

wir alle fallen. diese hand da faellt.
und sieh dir and're an: es ist in allen.

und doch ist Einer, welcher dieses fallen
unendlich sanft in seinen haenden haelt.
(Rainer-Maria Rilke)
2006-10-04 [ Wed ]
お釈迦さまの園には今
曼珠沙華が細い紅い指を広げていて
見つめていると肩の上にはらはらと
金木犀の香りが降ってきます

やがて日も暮れると 地面に落ちた金色の鈴は
霧雨に濡れた草の中でりりりんと可憐な響きを奏で
もう花の色はなんにも見えない
ただ爪先が紅い色に惹かれるように
しぜんと曼珠沙華の小径を抜けていこうとするのです
2006-10-02 [ Mon ]

J.-G.C. spielt L.J.

2006-09-03 [ Sun ]
葉月と長月のあいだの高い空に
滲みだすようにあたりを染めて
アール・デコの一枚硝子の窓に
みずからの輪郭を切り抜いていく上弦
梢と高層ビルのすきまにかかるその姿に背を向けられなくて
人の流れを遡って雑踏に向かって歩いた

〔葉月晦日の夜に〕
2006-08-25 [ Fri ]
朝から蝉が鳴き、昼の蒸し暑さは耐えがたく。
それでも驟雨のあとの涼気は
今までよりさらに肌に冷たく、
季節が過ぎてゆくのを告げている。
その移ろいを惜しみつつも、
待ち遠しかった夏から
待ち遠しい秋へ。

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