journal in japan

記憶の中の詩

上記の広告は1ヶ月以上更新のないブログに表示されています。
新しい記事を書く事で広告が消せます。
2006-09-21 [ Thu ]
足の爪を傷めてしまい、
養生のためにいつもよりさらに短く切りそろえた。
形が整っていないのが哀しく、
それが目だたないように夏の後半はずっと
薄い色のペディキュアしか塗らずに過ごした。

ようやく少しずつ回復してきたと思ったら、
そろそろサンダルの季節は終わり。

それでも家ではまだ素足に部屋履き。
夏用の爪先が出るものなので、
ブラシをかけてはペディキュアを塗りなおす。

もうちょっと秋になって
もうちょっと爪がきれいになったら
はれて濃いペディキュアをしよう。
こっくりした秋色の。

脚も足もすっぽりくるんでしまっても
乾いて音をよく響かせるようになった地面を踏んで
脚が喜んで踊りだしたくなるように。
スポンサーサイト
2006-09-20 [ Wed ]
古い写真を見せられた。
小さな女の子が古い家の前に立っている。
人見知りは人七倍くらい強いはずだが、
ほよんとくつろいだ表情。

「ね、可愛いでしょう」
「ほぅ・・・」
「さらってかれないか心配でしかたなかったわ」
「う゛~~~ん・・・
私もさらっていきたいかもしれない。
でもすぐに見透かされて、さらわせてもらえない気がするわ」

爆笑。

写真の女の子は、4つくらいのときの私。
最近家を1軒ひき払ったので、昔の写真をいろいろ譲りうけてきた
中にあったものらしい。
「すごく可愛い」という予告編は誇大広告か、
でなければ「昔はこんなに可愛かったのに・・・」という
過去完了形の当てこすりと思っていたが、
あながち嘘でも皮肉でもないのである。
カメラ・マンは祖父なので、安心しきって甘えた姿をしているようだ。

でも。
なんだか、可愛くない。
あどけない女の子がくつろいだ姿なのに、なぜか隙がないのだ。
「オバチャン、怪シイ」私は小さいときの自分の口真似をしてみせた。
「オバチャン、変ナ人。
私ツイテイカナイ。ココニイテ遊ンデルワ」
また爆笑。
「そんなことおっとり言われたら、怖くてさらってなんか行かれないわ」
大人になった自分をさえ怪しんで懐かない子供って、なによ。
もちろん怪しまれて懐かれない大人も、なによ。
・・・こんなふうに自分をすらつき放して見るところが
相変わらず可愛くないのよね、
というかこういう皮肉屋で毒舌家のところが、
祖母の DNA をそっくりうけ継いでいる遺伝体質だ・・・と、
笑いながらふと思った。
2006-09-19 [ Tue ]

夜と朝のあいだで、稲妻が光った。
遮光カーテンを閉じていても、空一面照らされたのがわかる。
それでもかまわずキーを叩きつづける。

やや遅れて雷鳴が轟く。
指先にぴりりと痛みが走った。
そのまま記憶ごと遠くへひき戻された---

キャンプ・ファイヤーを囲みながら意識が遠のきかけた私は
有無を言わさず車に積みこまれた。
気持ちが昂っているのか落ちているのか、
日本語でずっと喋りつづける。
そして、どうしても自転車をピック・アップして
乗って帰るのだと、寝言のように言いはった。

野外パーティの会場から小さな車で搬送されてくる間に
暗闇に乗じて嵐は私たちの背中をとらえていた。
静まりかえった路地路地を抜け、
自転車で鉄道の跨線橋を渡ったところで
すさまじい雷雨が2台の自転車を襲った。

つき刺さる雨。
凶暴な向かい風。
街灯もない幹線道路に
時おり稲妻が光って、白い雨脚を煌々と照らす。

ふり向いて投げてくる声を雷鳴が遮る。
叫びかえそうとする言葉を雨と風が塞ぐ。

それでもなぜか、私が行こうと言った緩やかな上り坂を登りはじめる。

爪先に体重をぜんぶかけて漕ぎのぼりながら、まちがいに気づく。
胸突き八丁ではあっても、もっと手前の坂を行ったほうがよかった。
遠くまできてこの緩い坂、ゆるいだけではなくて
延々とループ状に高台へと高まっていくのだ。
でも必死に先導するアオと騎手の背中に
そんな言葉を投げつけることはできなかった。

丘を登りきるとできすぎた皮肉のように
たちまち嵐は静まった。
熱いシャワーと乾いたタオルで息を吹きかえして、
迎えた朝はからんと晴れあがっていた。
階下へ降りてゆくと
玄関の横に停めた自転車がぴかぴかに乾いて主を待っていた。
2006-09-15 [ Fri ]
「大好きな***へ
元気ですか?
私はとっても元気だけど、あなたがここにいないのが寂しいです。
また会いたいです。
あなたの****」

急に、そんな一節を思い出した。
宛先は年上の友人男性。
差出人は共通の知人の娘。

なぜ愛に溢れたその言葉を知っているかというと、
「ここにいない***に絵はがきを出しましょうよ。
また彼が来たくなるように」と私が発案して、
大きめの絵はがきを選んでみんなで寄せ書きをしたからだ。
で、12歳の娘が最初に勇んで書いたのが、↑の言葉だった。

私が宛名を書いていたら、小娘がその手もとをのぞきこんで
「ねぇーなんで漢字で書かないのよぉー 〔<日本語に興味津々〕
なんでアルファベートなのよぉー」とうるさいうるさい。
友人は私のアルファベートの筆跡ももちろん知っているのだけれど、
「日本語で書いたらすぐ、誰の字だかわかっちゃってつまんないでしょ。
ぜーんぶアルファベートでエァ・メールが来たら、
***もちょっとはドキドキするでしょ」と答えた。
しかもいちばん最初に、あんな切ない言葉が並んでいるのだ(微笑

東京で、***は私を見かけるとスキップでもするように歩み寄ってきた。
眼尻がでれでれ下がっているので、なんの用だかまるりとお見とおし。
「****ったらそのまんま私にくっついて飛行機に乗って、
トウキョウヘ一緒に来るってきかなかったのよ」と言ったら
相好があとかたもなく(笑)崩れて、
この顔を撮って送ってあげたいと思った。

東京で会ったときはまだ****は小さくて、
***のコートの中に入って、カンガルーの子のように
顔だけ出して笑っていた。

その夏、東京で私に教わったという折紙を次々披露してくれ、
一緒に学校へ来て日本の歌や遊びをみんなにも教えてくれと
はしゃぎっぱなしだった****は、
私が(何日か滞在して)翌日次の滞在地へ行くと知ったとたん
泣いて泣いていつまでも寝ようとせず、大人たちを手こずらせた。
翌朝早く学校へ行く前に、私の部屋へお別れの挨拶に来てくれたけれど、
あーたハグしても棒立ちだったがや(爆

次に***や私に会うのがどこだとしても、
もう年頃の娘になっている****には、
自分からちゃんとハグとキスをさせます(キッパリ
2006-09-03 [ Sun ]
葉月と長月のあいだの高い空に
滲みだすようにあたりを染めて
アール・デコの一枚硝子の窓に
みずからの輪郭を切り抜いていく上弦
梢と高層ビルのすきまにかかるその姿に背を向けられなくて
人の流れを遡って雑踏に向かって歩いた

〔葉月晦日の夜に〕
2006-09-01 [ Fri ]
ふらりとプチ出奔。
出かけようとした直前、体調に異変があり、急いでネットで調べる。
ふむふむ。
2度めで、前回は半年ほど前。
再発、あるいは続くようなら検査に行くとして、
まずはやっぱりストレス解消が必要と出発。

所用をすませてから都内を散策。
詳細はまた書きますが(マタカイ
最初に谷中で幽霊画を鑑賞。
「毎年やってるもんを何を今さら」とも言われたけれど、
「人間の姿に戻って秋を迎えよう」と思えたので(自爆
個人的には大収穫。
美容院もそろそろ行かないと(素

下町から山の手へ、気ままに歩く。

鴬張りの床 <蝉のように大音声でしたが(汗
階段、飾り窓、
書庫の梯子、・・・・・・と、
とにかくフェティシズムを刺激されっぱなしの1日。
足が痛いの腰が痛いのと言いつつ、上弦の月があまりに美しかったので、
空を眺めながら JR 駅まで歩く。
と、気になるものを発見。
確かめたくて、わざわざ横断歩道を渡って見に行ってしまう。

ほんとの廃墟だ。やっぱり <究極のフェティッシュ(笑

都バスの営業所で、約半年前に閉鎖されたらしい。
最寄の他営業所の案内ビラが貼ってある。
路地を入ってってみる。
事務棟の後ろにはバス・ターミナルがあり、
奥には車庫が並んでいるが、当然照明がまったくないので、
細い路地を隔てた駅ビルのアネックスの明かりでも
ぜんぶは見透かせない。
表通りに面した事務棟を撮ってみる。

2枚めは、片側3-4車線もある幹線道路の反対側から <写ってる?
こちらが駅の正面で、交番がある。
おまわりさんが私のすぐ前まで出てきて、ピピピピッッッと笛を鳴らす。
ワタシナニモシテマセーン。
おまわりさんが止めたのは、2人乗りのバイク(どう見ても400cc以上)。
てか、その幹線道路を、堂々右側走行で右折しようとしてましたがな(笑

運転している男性は、ヘルメットをかぶっていても
ジローラモに似ていると思ったが、ほんとにガイジーンだ。
日本語もすばらしく流暢で、ペラペラとあぁだこぅだ言い訳している(笑
おまわりさんもはなっから日本語でまくしたてたようだ。

子供のころから廃屋や廃墟は好きで、仲間と探検したりしていたけれど、
それがフェティシズムの域にまで達したのは、
やはり崩壊してゆく/崩壊した共産主義社会の残骸を
目の当たりにしてから。
「史上唯一成功している共産主義体制」とも揶揄される日本でも、
なぜか似たような光景をデジャ・ヴュのようにところどころで目にしてきた。
身近でそんなことがあると、さすがにミーハーに喜んでばかりも
いられないが。

全身痛んで、最後はお茶だけで轟沈。
それでも夜の鏡に映る顔色はよかったから、いい1日だったのだろう。

 | HOME | 

2006-09

profile

melusine

author: melusine
記憶の中の言葉たち

recent trackbacks

FC2-counter

be my blog-friend (:-))?

search in this blog

tabula rasa

上記広告は1ヶ月以上更新のないブログに表示されています。新しい記事を書くことで広告を消せます。