journal in japan

記憶の中の詩

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2007-09-02 [ Sun ]
(1)
東京発・下り超特急に揺られながら、
今日はいつもと違う顔をしていると思った。
眉と唇をほんのちょっといじるだけ。
いつもと違うことをした覚えはない。

洗面所の鏡の前で髪をおろして、わかった。
祖父・周介の顔。
大叔母・伊都子の顔。
二人の故郷は、ここから遠くない。
不思議なことだけれど私は
自分が生まれ育った東京にいるときとは
別の顔をしていたのだ。

(2)
慣れた手順で、1日乗車券を買ってトラムに乗る。
昼前から、陽はじりじりと照りつけていた。
まっすぐ美術館へ。
特別展紹介ヴィデオをぼんやり眺めながら
しばらく額と足を冷やして、展示室に上る。

去年から今年にかけて、東京で何度か
逃がしたと思いこんだり、ほんとうに逃がしたり。
靉光に初めて出逢ってから何年にもなるのに、
実は予備知識はほとんどなかった。
「ブーム」かどうかは知らないがたしかに最近
メディアでとりあげられることが増え、
ともあれ短い創作期間の間にさまざまな作風を
試行錯誤のうちに経、
出征前に自分で処分したり
故郷の街が大戦末期に壊滅的被害をうけたりしたために
残っている作品がごくわずかしかないことだけは
わかってやって来た。
実際に観て強い印象をうけた代表作だけでなく、
もっと大きな創作活動全体のなかで彼を見たかった。

とはいっても、数少ない作品のひとつひとつが
足を留め、胸に落ちてくる。
その感覚を、印象を
今はまだ言葉にしたくない。できない。
画家のように、キャンヴァスに絵の具を何層にも塗り
それを削り、また塗り重ね・・・
そうしてゆっくり時間と得心をかけて
言葉を浮かびあがらせていきたい、
そのプロセスを味わいたいと思った。

お盆休みのせいか一般的認知度はけっして高くないせいか、
郷土の画家の生誕記念展というのに、
会場はがらがらだ。
休憩室のソファに座ったり、気に入った絵の前にしゃがんでみたり
自由にゆきつ戻りつ、
ぜいたくな時間を過ごす。
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