journal in japan

記憶の中の詩

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2006-03-08 [ Wed ]
われは思ふ
末世の邪宗
切支丹でうすの魔法
黒船の切支丹を
紅毛の不可思議國を
色赤きびいどろを
匂鋭き
あんじやべいいる
南蠻の棧留縞を
ぱた阿刺吉
珍酡の酒を

(白秋「邪宗門秘曲」 明治42年)

マジシャン仲間がゆるやかなネットワークで開いた店の1軒を訪ねる。
馴染んだ別の店と同じ、乾いてくつろいだ空気。
ただインテリアはヒンドゥの神像やロシア・イコンではなく
アンティークのカメラやミシン、
やはりアンティークの・・・というより音が流れてこなければ
壊れているのだと思いそうなスピーカから流れるのは
クラシックではなく、ジャズやロックのナンバー。

70年代風のカジュアル・アイヴィに
すっかり霜におおわれた髪とプーマの革スニーカだけが
今は21世紀なのだと確認させてくれるマスターがたてるコーヒー。

うまく灯りの下に席を得たのと
店ががら空きで空気がきれいなので編みものをしていた手を、
ふと流れてきたバラッドが止める。

一緒に口ずさむ。
高校生バンドでコピーした中にはなかった曲。
だから歌詞をきちんと覚えたわけではない。
それでもいつどこで初めて聴いたのか、ひどく懐かしい。
鼻歌ならついて歌える。

隣のテーブルで煙草を吸いながら文庫本を読んでいたマスターに尋ねる。
手料理の隠し味を尋ねられた人のように思い出す眼で耳をそばだて、
"stairway to heaven" とだけ答える。
「あぁ、『天国への階段』!」
目顔で頷きあって、またそれぞれ自分の手もとに視線を落とす。

インテリアや音楽の趣味は、そう
実家の近くで秘密の隠れ家にしていた喫茶店に似ている。

すっかり寛いで店を出ると
澄んだ空に蛾眉の月が目映かった。

stairway to heaven (lyric & midi)
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